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アイシャの所属するブライト歌劇団は、カナルで一番有名な劇団と評判。
入団する為には、倍率が高いオーディションを通過しなければならないほど。そんな難関な門をくぐった者に与えられるものは、意外にも過酷な生活。
アイシャの生活も最初はそうだった。
「アイシャ、ちょっといいかな、話しがあるんだ」
支配人に呼び止められたアイシャは、小走りで向かう。
「何かご用意ですか?」
アイシャは、自分が何か悪いことをした記憶がないので疑問に思う。
「君に依頼があってね、王宮に潜入してほしいとのことだそう」
今回は、普通の依頼ではないということがわかる。支配人にアイシャは幼いときから、面倒見てもらっていた。
「君には、イヴァン王子の婚約者になってもらう」
イヴァン王子は第一王子で冷酷非道といわれている方。王子の婚約者に何故自分が選ばれたのか不思議だった。
「君に歳も近いらしいんだ、その婚約者が」
アイシャは、もうすぐ21歳になるが長年続けていてそんな依頼は、はじめてだった。歳が近いだけで選ばれてしまったならすぐ素性がバレるのではないか。
「大丈夫、顔は知られていないから。あと困ったらこの薬を使うんだよ」
「はい、わかりました」
渡された薬は何に効くのかは、結局聞けなかった。
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