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声の主は、蒼空くんだった。
「あー、ほんと?逆にありがたいわー。」
先生から許可をもらい蒼空くんは笑顔でこっちに来た。
「じゃあ、美桜ちゃん。図書委員よろしくね。」
“美桜ちゃん”
どうしてこの人の声は頭から離れなくなるんだろう。
しかもうっとうしくなくて。
なんだか、ほっとして癒される。
なんでだろう──。
──最初の委員会活動の日──
「それじゃ、はじめまーす。」
だるそうな声が聞こえた。三年生の男子の先輩だ。
そんなことよりさっきから気になること。こんな人少ないっけ。
周りを見渡しても明らかに二、三年生の人数が少ない。
「えっとー、この委員会先生ほとんど来なくてー。とりあえず委員長と副委員長二年生の中から決めとけって言われてるんで決めまーす。やりたいひといますかー。」
当然ながら手はどこからも上がらない。
「あと、ちなみに委員長と副委員長は月・木で朝早く登校して本の整理してもらうんで。」
思っていたよりも図書委員の仕事は大変そうだ。でもまたじゃんけんとかになるのは避けたい。
「僕やりましょうか、委員長。」
声の主はすぐに分かった。隣にいたからだ。
「お、さんきゅー。名前なんていうの?」
「蒼空です。倉のほうの蒼に空です。」こういうの率先してできる人なんだ。
私はだったら絶対やりたくないもんな...。
「あと、この子副委員長やりたいらしいんで。」
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