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第2話 天井の顔
「第1話 シーツを這い回るピンク色の光」(前頁)に、ぺコメをありがとうございます。
エブ仲間のひーちゃんさんから、光の正体は蛍ではないのかとのご指摘がありました。いいえ、蛍ではないと思います。季節はクリスマス頃だと記憶しているので。夏ではないです。
では、第2話のはじまりです(前回の続き)。
☆ ☆ ☆
恐怖心半分好奇心半分で、ピンク色の光の出現を待っていると、毎日ではないけれどお目にかかることはできた。相変わらず、追いかけっこをするが捕まえられなかった。
そんなある日の晩、夜中に目の覚めた僕は天井をぼんやり眺めていた。部屋の天井には、就寝用の豆電球が点いているのでほのかのに明るい。天井の木目がよく見える。
僕は目を疑った。
天井の継ぎ目がズレて、その隙間から男の人の顔がのぞいたのだ。おじいいさんのような顔だったと思う。
これは怖かった。
僕は飛び起き、階段の踊り場をへだてた隣り部屋へ駆け込んだ。その部屋には両親が寝ているからだ。
「お化けがでたああ! 助けて! 怖いようう!」
僕は両親に天井の顔を話した。
「怖い夢を見たのね。じゃあ、一緒に寝ましょ。もう怖くないから」
子供の言うことだから信じてくれなかったが、それでも両親の布団の入ることができてほっとした。
「夢じゃないよ。ほんとにいたから見てきてよ」
僕は食い下がったが、母も父も笑うだけだった。
「誰もいないから安心して寝なさい」
「ホントにいないのかなあ」
ひとまず安心した僕は目を閉じた。
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