え？ ワラビー拓！

？？ ううん～。ソレ 何の話

　この頃、巷では身長１ｍ少し小さめのカンガルー、嫌。ワラビーってのが走り廻っている。なんでや。誰も何も言わない。ココは勿論オーストラリアではない。でもさ。毎日どこかで見ていると流石に見慣れてくる。彼らはそこにいる。彼らは別に何もしないし只走っては歩いている。しかも、どちらかと言うと人間の一般ファミリーといることが多いかもしれない。彼らの尻尾を垂直に伸ばすとだいたい1.5ｍ。あるかなぁ。普通の自動車に搬送くらいはできるし、中には渋い毛皮にお洒落なパーカーを羽織って、市内マラソンに出た輩もいた。他にもSサイズのパンツルックにマフラー姿って個体は何だか妙に愛らしい。
でもネ。昨日、夜中の高速道路で衝突事故を起こしたソレは簡単に言うと金属とプラスチック、パソコン部品の塊だった。

「この咲田製作所のワラビーについてですが、せめて交通ルールは守って頂いて一般社会に順応可能との証明書を発行の上に持ち主の情報を常に携帯して頂く。扱いはペット。分類は近年広まって来たペット型ロボット、AIでよろしいですネ。」

何故か今日のお昼のTVの中では満場一致でコレが決まり、夕方のニュースで其れは結構派手目に流れた。社長の咲田実季(さくたみき)さんとやらは今後の開発に邁進すると答え、深々と頭を下げた。ふーん。平和じゃのう。なーんだ。本物じゃなかったんだ。でも大きいからお高いわよ。知―らない。今の|美月（みつき）にはどうでもいい話。1ケ月くらい前に今の会社からの退職が決まって今は人事の田中拓也(たなかたくや)からの連絡待ち状態。彼って名前はともかく、勤続年数が１週間足りないから退職金も保険も出ないと言い続けている。働け。働け。働け。そんな感じ。でもコレって このご時世、田中の愛情表現なんじゃネーの。後、10日くらい残ったら。そんなアドバイスをくれる先輩もいる。変な話。でも、実はもーコノ会社に未練も無い。