6人が本棚に入れています
本棚に追加
07.
「あっ、分かった!鉄仮面さん、佐藤さんの事が好きなんですよ!」
それは、ある日の午後。
翼が突然、そんな事を言い出した。
「っ……!?」
「こっ、こら!何言ってんだよ、翼!!」
しかも、その日は珍しい事に──まだ明るい時間に、春ちゃんが来ていた時の事だった。
幸いにも他のお客様は居ない時で、店に居たのは俺たち三人だけだ。
「佐藤さんも鉄仮面さんの事、好きですよね?」
「え?そ、そりゃあ──……うん」
「っ──!!?」
あ、春ちゃんが珍しく顔を真っ赤にしている。
ここまで顔に出ているのは、珍しいな。
……まあ、そう言う俺もなんだけど。
「おおっ、カップル誕生ですね!いやー、めでたいめでたい!!」
「翼!!」
「~……っ」
ヒューヒューと、翼に揶揄われる中。
俺と春ちゃんは、互いに顔を見合わせて、照れてしまうのだった。
最初のコメントを投稿しよう!