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「うん。シェイドはそう言ってた」
もしかしたらシェイドは、今レインがしているように、誰かを人喰いにしたことがあるのかもしれない、とミアはふと思った。それはただの思い付きだったけれど、間違っていないように思った。
「それじゃあ、おやすみ、ミア」
横たえられて、やさしく目元を覆われる。とろりとした眠りが襲ってきて、ミアはそのまま目を閉じた。
* * *
……霧の森には人喰いがいる。
真っ白な体に、真っ赤な目を持つおそろしい生き物が。
けれど最近、その伝承が変化したという。
真っ白な体に、紫の瞳を持つ何かが増えたのだと。
その何かの正体は、誰も知らない。
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