紳士の煩悶(はんもん)

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(! ……今、サヴィトリ様の視線を感じたような)  皮膚の内外に無数に存在するサヴィトリ様センサーが反応し、カイラシュは急いでサヴィトリの方を見た。  しかし、彼女は黙々とパンを食べていただけだった。  センサーが誤作動を起こすなど珍しい。もっと精度を上げるよう鍛錬しなくては。  それにしても、供回りが鬱陶しいことこの上ない。  羅刹三番隊隊長のヴィクラムは昔から反りが合わなかった。何かそうなるきっかけがあった気がするが、改めて思い出す価値もないだろう。とにかく嫌いだ。  サヴィトリに気軽に触れる点も非常に気に食わない。隙あらば襲おうとしている節もある。  そんな下半身先行野郎は腐刑に処すのが相応しい。  近衛兵のジェイはサヴィトリに対して無闇に馴れ馴れしい。  何より思春期を一緒に過ごしたことが許せない。幼馴染というポジションは、本来であれば自分がおさまるべきものだった。  そんな窃盗野郎は磔刑に処すのが相応しい。
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