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「なんですか? 入場料ならさっき払いましたよ」
不満をぶつけると、俺を呼び止めたスタッフは恭しく頭を下げた。
看板の表記を確認する。入場料は年齢問わず一律二千円だ。少し高いと感じたが、最先端技術を用いているのならば仕方がない。
入場料が原因じゃないなら、どうして俺は呼び止められた?
「承知しております。ですが、申し訳ありません。返金致しますので、どうぞお引き取り下さい」
きっちりとした服装とかしこまった言葉遣いが、丁寧さよりも冷たさを感じさせる。
「え? どうして」
「私どもの確認が漏れておりました。本来であれば列にお並びいただいた時点で気付くべきだったのですが……」
言いづらそうに顔を顰められ、俺は相手の動向を窺った。
まさか、指名手配犯と間違えられているとか? そんなことはあるまい。だったらもっと、警戒されるはずだ。
他にどんな理由がある? いつのまにかお化け屋敷は免許制になったのか? 何かしらの誓約書を書く必要があるのか?
俺は自分が世情に疎いことを悔やんだ。
投げかけられた言葉はもっと意味のわからないものだった。
「お客様は人間でいらっしゃいますよね?」
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