アルゴリズムの恋人

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 天気は快晴。雲一つない青空の下で私たちは死者に想いを偲ばせる。  墓前には生前にユウが好きだったものがいくつかお供えされている。多分クラスメイトの誰かが持ってきてくれたんだろう。 「それにしても、スイカってなによ。一体誰がこんなもの持ってきたんだか」  私の隣で手を合わせていたヒナタがどっかりと腰を下ろしているスイカを見て呆れるように呟く。  二人で一緒にユウのお墓参りに来たのは今日が始めてだった。ユウが死んでから私たちはあんまり話さなくなってだんだんと疎遠になっていたからだ。  でも今日、勇気を出してヒナタを誘って良かったと思っている。ユウの墓前の前で何かを祈るヒナタの慈愛に満ちた顔を見られたからだ。 「ねえサラ。前にさ、私の気持ちなんか分かりっこないって言ったでしょ?」 「……えっと、その節は本当にごめんなさい」  気まずくなって顔を逸らしながら言うと、サラは笑い声を上げながら私の背中をぱしぱしと優しく叩いた。 「別にサラのことを責めてる訳じゃないって。あたしもさ、ほんとにサラのことよく分かるの。だってね、あたしもユウの事がちょっと好きだったから」  なんでもない風にヒナタは言ったけど、あからさまに顔を真っ赤にしてるから、その気持ちがウソではないとすぐに分かった。そもそもヒナタはウソをつくのが下手なのだ。  顔を赤みを誤魔化そうとして「今日もあっついねー」なんて言いながら、自分の手でパタパタと仰ぐヒナタを見て、私はくすりと笑う。 「どんなところが好きだったか訊いてもいい?」 「えー、それ聞いちゃう?」  私たちは笑い合いながら、彼のお墓を後にする。  ずっと近くで聞こえていた彼の声は、もうしない。    
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