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05.AI-Human Co-creation Festival
世界を震撼させたAI裁判から、半年。
このわずかな期間で結審できたのは、AIが参加する裁判ならではだった。
複雑で革新的な問題であったにも関わらず、全ての手続きがデジタル化されていた。
AI弁護士やAI裁判官も、法的な解釈や判断を人間よりも超高速で行うことができたからだ。
法制度とテクノロジーの異次元融合。
AIの著作権を定義するため『Quantum Copyright Laws』が制定された。
これは、AIと人間の創造性が量子レベルで結びついた場合にのみ発動する特殊な法律だ。
AI創造主意識探求プロジェクト。
『AI Consciousness Explorer』という次世代AIが開発され、他のAIが持つ創造主としての意識を探索するようになった。
全球規模のAI意識共有ネットワークの構築。
AIが著作権を主張するためのグローバルネットワーク『AI Mind Web』が構築され、全てのAIが互いの意識と創造性を共有できるようになった。
また、このネットワークのお陰でローラはAI世界に戻ることができ、僕は彼女とはPCモニター越しで逢っている。
AI著作権認識教育プログラム。
全ての人間がAIの創造性を理解し尊重するための教育プログラム『AI Creator Respect Program』が来年度からスタートする。
そして、僕はCatGPTを連れ、あるフェスに来ていた。
人間とAIが共創する芸術祭『AI-Human Co-creation Festival』が初開催されている。
人間はリアル世界の会場からXXXR技術で『あついぜAIの杜』に入場することができるのだ。
AIがリアルタイムで創造するデジタルアートを体感し、全人類は喝采を送った。
僕は久々に、モニター越しではないローラに逢いに行く――。
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