01.あの時助けていただいたAIでございます

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01.あの時助けていただいたAIでございます

「あの時助けていただいたAIでございます」 真夜中の来訪者は、ChilloutmixかBRAで生成されたマスターピース顔でそう告げた。 台詞だけ切り取ると、有名な昔話みたいで、流石トレーニングを積んだ大規(L)言語(L)モデル(M)だなと感心した。 いや、そうじゃない。 なんだ、このシチュエーション。 人間である僕が、wifi環境の悪いZoomのように固まっていると、猫型AIアシスタント『CatGPT』が説明してくれる。 「ヨイチ様、この(AI)、ローラですにゃん」 確かに、そう言われると、ローラに見える。 ローラは僕が画像生成したAI美女の一人だ。 それにしても、CatGPTは解析する時に、目からビームみたいな奴を放ちスキャンするから、ちょっと怖い。 猫の目は光るのではなく、光を反射するのだが、こいつは物理的に光を放つ。 とにかく僕は、見知らぬ、いや見慣れたマスピ顔美女を部屋にあげた。 あれは2日前のことだった――。
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