マイ・ハーレム・サバイバル

4/14
前へ
/14ページ
次へ
そうさ、恋を捧げるのは生涯一人だけでいい。 他の子の事は思い出でいい。 いつか運命の人を見つけて、その人のために今度こそヒーローになるのさ。 ……なんてね。今でも叶ってないんだけど。 さあ、仕事が終わった。 疲れたし今日はゆっくりしよう。 そんな俺を待っていたのは、運命だった。 ☆ ゴロゴロゴロ…… 帰り道、だんだん空模様が怪しくなって来た。一雨降って少し涼しくなるといいけど、雷雨はちょっと嫌だなあ。 降り出す前に帰ってお風呂にしよう。世界でたった一つの、俺だけのための部屋に帰ろう。 子供の頃に好きだったキラキラしたものはみんな、知らない間にどこかへ行ってしまった。 でも、大人になって手に入れたキラキラもある。 それは「秘密基地」! いや、ただ安いアパートで一人暮らししてるだけで、秘密なんてなんにもないんだけどさ。 誰にも気を遣わずに好きなだけ好きな事が出来る俺だけの基地(スペース)には違いない。 部屋に高級品は何もないけど、テーブルもソファーもカーテンも何もかも全部俺の好みで揃えてある。見栄えは悪くない自信があるし、いつ女の子が来てもいい様に、それなりに小綺麗にもしてる。 散らかってる方が秘密基地っぽいけどな。 帰宅した俺は、まずエアコンのスイッチを入れてからシャワーを浴びる。 さっぱりしたら冷え始めた部屋で裸のまま、扇風機を回しながらドライヤーで髪を乾かす。 みっともないカッコだが、構うもんか。誰もいないんだから。 その時。 「あ」
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加