嫉妬の終着点

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 美莉はその言葉にぎょっとした。礼奈の自殺現場はこの学校の屋上だ。今となっては何事もなかったかのように使われているが、自殺現場に行くなんて、そんなこと。  どうしようかと美莉が考えていると、響の幼い声が聞こえた。 「じゃあ、早速行ってみようか」 「音無くんは行っちゃ駄目だよ」 「えぇっ!? 何で?」  拗ねたような声をあげる響を、千影が優しくたしなめる。 「もしかしたら、杉崎さんだけに伝えたいことかもしれないだろう? 女子会の邪魔をしちゃいけないよ」    千影の声と表情は優しいが、有無を言わせない圧があるように感じた。二人は千影の意見に「はい」と言うことしかできず、揃って英語教諭室を出た。扉を閉め、少し歩いたところで、美莉は響に話しかけた。 「音無くん、先生はああ言ったけど、一緒に来てくれないかな。何だか怖くて」 「いいよ! 野中さんは優しい人だったけど、幽霊って怖いもんね」  お人好しなのか、頼られて嬉しいのか、響は明るく答えた。彼はどうやら生前の礼奈と認識があるようだ。礼奈に対して良い感情を持っていない美莉からすると、響の礼奈に対する「優しい人」という評価は同意しかねる。礼奈が本当に優しい人なら、美莉が困ることをしないだろう。
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