6

1/1
前へ
/35ページ
次へ

6

「まあ、古いカメラだからそんなもんだろう」 と、自分に言い聞かす。だが、 「もし、この部屋に霊が居て写っていた方が怖いじゃないか?! 俺って馬鹿な事をしてしまった。」 と、後悔の念を独り言で忠実に再現。 ……明日、直ぐにこの写真の現像をお願いしに行こう…… と、心に秘めて一人食事をする孤独な私。(*´◒`*) 次の日、適当に仕事を済ませ 昨日のカメラ店に急いだ。 相変わらず客は居ないみたいでひっそりとしている。 「ごめん下さい」と、呼んで辺りを見渡すと、茶髪が見えた。 昨日の店主だ。 「昨日のお客さんかい、霊 撮れたかい?」 と、やはりぶっきらぼうな挨拶だ。 「霊など見えません。いるかどうか解らないですよ。 取り敢えず二枚だけ撮ってみました。 写っているかどうか解らないから、現像をお願いします」 と、僕は少し怒気のある言い方をした。 「そうだった。このカメラから霊が見える様になるには、 修行が必要だった。」 と、店主は想い出したかの様に云う。 「修行?! 修行って何!」 と、僕は驚いて店主の顔を見た。 「まあ、その内に解るよ。ところで今日は現像するんかい?
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加