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【現在 2999年 6月8日 朝8時00分】
チリリリリリリリリリッ! と、微かに音が聞こえてくると、彼はゆっくりと目を開け、意識を取り戻す。
「――もう朝か……。」
朝ならではの少しやる気のない声を出すと、彼はベッドからのろのろと起き上がる。続けて、歩き出すと、部屋のカーテンを勢いよく開けた。
開けると、そこには世界が広がっていた。
もう、人間たちのいない世界が――。
ロボット達の世界が――。
そんな今のセカイ見て、一人のロボットは疑問に思う。
……僕は最近、思うんだ。なんで人類が滅ぼされたんだろう? って。だって人間たちは僕たちを作ってくれた存在だ。普通なら感謝すべきじゃないか? なぜ、皆殺しなんかにしたんだろう?
部屋のカーテンを開け、その窓から広がるロボット達のセカイを見て、彼はすかさずそう思った。
それも今日だけじゃない、彼はこの事をずっと疑問に感じていたのだ。
なぜ、人間は殺されたんだろう? と。
まだ窓から写し出される世界を見つめていると、彼はやっと窓から広がる世界から目を離す。
それから、玄関まで素早く行くと、ドアノブに手をかける。
彼は、最後に一言こう呟いた。
「いってきます」
言い残すと、彼は走り出し、世界へと飛び出していった――。
***
一体、これから彼は何をしようとするのだろうか?
人類のために戦うのだろうか? あるいは何もしないのだろうか?
いや、それは誰にも分からない。彼にしか分からない。
けど、彼が何かを決意して、あそこから飛び出しのは事実。
何か、AI・ロボット達の世界を終わらせる終止符を打ってくれることを、今は願うしかない。だが、全ての可能性は未だ、不確定のままである。
「この世界を、守らねば――。」
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