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ホカホカすぎる部屋に外の風を引き入れ、多少ひんやりとした風を送り込む扇風機に、少しばかり癒されながらも、目を覚ます午前……3時。
まだ外は暗く、窓から見える街灯は白々と光を放って佇んでいる。ぼんやりとした視界の中、彼を探す。
暗闇の中で。
冷蔵庫のホワイトウォーターをいただき、彼の姿を見つければそこに薄手のタオルケットに包まり、その背後に寄り添い眠る。
(彼の匂い……。落ち着く……)
今日はまた一段と涼し気な場所で眠っているようだ。
ああ、早く涼しくならないだろうか……。
そしたらもっと、くっついていられるのにと。
涼し気とはいっても本当に涼しい訳では無い。
ぼんやりとした視界で確認出来る範囲で映し出された液晶画面は、35度を表示している。
蒸し暑かった部屋よりは気持ち涼しく感じた程度だ。
暖かい黒毛の彼にほんの少し、頭をくっつけて眠る……これが、俺のささやかな幸せ。
fine
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