暑い日の夜には、君のとなりで

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暑い日の夜には、君のとなりで

 異常気象。 年々上がってゆく気温に人間の骵[からだ]は、どこまで耐えるのだろうか? シャンシャンシャン、リッリッリッと忙しなく虫が鳴いている。なんの虫かなんてわかるわけが無い。 この発音であっているのかさえ謎なのだから。 7月もまもなく終わる夜。 映画の放送を眺めながら、汗を滴らせながら夜を閉じようと布団の上に転がる。 「暑い……」 言うまでもないが昼間から日が差し込み布団は冬ならほかほかパラダイス状態。 足裏にじんわりと伝わる熱。こんな熱は要らない。  さーーーと気弱な音を耳に響かせている扇風機。 大窓の縁にかけてある状態。何せ幅があるので大きすぎないサーキュレーター型の扇風機なら乗る。 ただし、でかい地震が来たりしたらテレビがやばい事になる可能性が大だ……。 こんな暑い日でも、俺は待つそして時が経てば君の隣へと忍び寄る。 愛しいひと。 部屋が暑かろうと君の隣には居たいと思う己がいるのだ。こう聞けば俺は相当な変態かストーカーか何かだと誤解されているだろう。 暑い中、彼のとなりにそっと寄り添うように眠るのが至福の時。暑いものは暑いが、幸せとの天秤にかければ、多少の犠牲は必要だ。 「あー……そろそろいってもいいかな」 俺はうずうずしていた。 風呂に入って2時間。既に風呂の意味をなさない程の汗をかいている……。
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