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夜明け前 カフェ美宙カウンター席
ここは南国、カフェ美宙の店内のカウンター
ウチにママから送られて来たメールを三人で確認していると…
「公安が返り討ちっすか?…まあ、この国の公安の人ならそうなるっすよねえ、基本人間しか相手にしてないんすもんねー?でも、たった5匹っすよ?ウチらなら瞬殺っすけど」
「仕方ないですよ、銀の弾丸なんて常備している警察署なんてありませんからね?シイ、その連中の足取りわかります?」
物騒な発言を連発するハルさんの頭をポンポンして、パパが頬に触れそうな程近くにウチに近づいてくる!
…冴香さんや優花ちゃん、美優ちゃんには申し訳ないけど、メッチャ嬉しいしドキドキする!
今やってるけど…この国のセキュリティ弛すぎないかな?簡単に公安と警視庁のデータベースが覗けるんだけど…
一応防犯カメラの映像を追っかけてるけど…あれ?
「それは、シイちゃんが出来る子だからですよ?何と言っても…あれ?って何です?」
「あたしとシイちゃんは、ししょーの最高にして最強の教え子なんっしょ?…しっかしこの「石の山」って甘口だけに幾らでも行けるっすね!」
こいつら…冴香さん達の旅行先に近づいてるみたいだけど…どうする?
「これ、ウチの本部とかに伝わるの、何時だと思います?」
ハルさんの右手から貴重な「石の山」を奪いとり、パパが聞いてくる
「石の山」の瓶の残りを見て、盛大な溜め息をついた後だが…
ハルさんからは盛大に抗議の声が上がっているが、左手のジョッキになみなみと注がれた「石の山」を見る限り、フォローしたくてもしてあげられない…
まあ、取り逃がしたことを隠したいだろうから、明日の朝?ウチの臨時ニュースくらいに、じゃない?…あ、パパ、ウチも一杯だけ焼酎ちょーだい?
「はあ…ハルもシイもちゃんと歯磨きするんですよ?お酒臭い状態で「妹分」達を迎えるわけに行かないでしょ…シイ、この情報、ゆかりさん泰子さん組と冴香さん達に…」
焼酎のロックを作ってくれながらパパから指示が飛んで来る
カフェで作られている透明の丸氷はウチがお願いして作ってもらってるので、消費しないとねー?何に使っているのか、冴香さんに詰問されたけど適当に誤魔化しておいた
「今送ったー、だからもうちょっと多めで…あと…アンツィオがほしい…あれなら一発ずつで行けた…」
美優ちゃんの真似をして両手を合わせて可愛くお願いしてみせる
正直自分のキャラじゃないのはわかってるので、顔から火が出そうなくらい恥ずかしい…
「はあ…」
溜め息を小さくついて、今蓋を締め掛けていた瓶が再びグラスの上に傾けられるのが見えた
「あとでオリヴィアに言って送ってもらいなさい」
ダメ元のつもりだったけど、言ってみるものだ!
いや…パパが甘いだけなのかも
冴香さんや秋さんに飽きたらウチが…なんて事には出来ないだろうな
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