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「ところで…どんなお灸が効くんでしょう、その、あの描さんに…？」
プハーッ
キンキンに冷えてやがるぜー！
湯槽の脇に置いたジョッキの中身を一気に半分ほど飲み干し、何処かで聞いたことのあるドラマの台詞みたいな発言をしてみせる
因みに「石の山」は冴香ちゃんに取り上げられたので、ジョッキの中身はスポーツドリンクだ
うーん、冴香ちゃんがあたしの奥さんに思えてきたぞ…
優花ちゃんと美優ちゃんはガラス張りの露天風呂から見える夜明けの風景にキャーキャー言ってくれている
さっきから動物園のレッサーパンダみたいに、二人で浴槽内をウロウロしてくれている
喜んでもらえてお姉さんとっても嬉しいわ♫
ただ…お尻は隠した方が良いと思うんだけどね…
あ、意外と美優ちゃんの方が大きいかも？
まあ、部屋のグレードアップは元々ネコから言われてたし手も打ってくれてたみたいだけど…ツイン２部屋をロイヤルスイートになんて…あいつどれだけカネ持ってるのやら…カフェで構造もだけど
貸切風呂なんかの更なるグレードアップ…いや、ゴリ押しだな…うん、反省する…請求書が事務所に届いたら、間違いなくヒロとトモチとタナちゃんに怒られる…うん…
この際だからネコと冴香ちゃんのところに永住することも考えておこう…
そうそう！ネコに据えるお灸の話だった！
冴香ちゃんが隣からバスタオル越しでも主張する「そこ」をお湯に浮かべながら、あたしの答えを待っている
「あれ」でネコを喜ばせて、楽しませてるのか…あたしには羨ましい限りだが
おおっと♫答え答え！
ふっふっふ〜♫さて冴香ちゃん？あいつあたし達をお見送りする時に何て言ってたか覚えてる？
自分で今どんな顔してるのか？鏡を見るようにわかる！
取って置きのイタズラを思いついた、そんな時の子供の顔をしていることだろう！
…冴香ちゃんが若干あたしから離れたような気がする…ついでに微妙に引いてる感じも…
「えっと…確かお土産にはお饅頭とお団子が良いって…」
そこまで答えて冴香ちゃんの顔色が変わる！
露天風呂に浸かって紅潮しているはずの両の頬が見る見る内に青ざめて行ったのだ
ん？お湯の温度は問題ないわよ？大体40度ちょっと切るくらいなはずだし…
「…秋ちゃん、それ、本気で考えてます…？」
恐る恐る、そう表現するしかない、そんな話し方で冴香ちゃんがあたしを見上げていた
ふっふっふ〜♫
あたしは昔っから有言実行の秋ちゃんで通ってるんだぞ？
何か問題あるの？
…まさかあいつ、冴香ちゃん達に暴力振るったりするの？だったら、ソッコーで妹ちゃんに連絡して止めさせるけど！
「あ、いや…その逆で…お土産無かったら、目茶苦茶凹むだろうなって…」
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