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「へー」
「ほー」
「「ふ~ん」」
浴衣姿であたし達の説明に、気のない返事を返してくれているのは、ゆかりさんと泰子さん
そりゃ徹夜仕事を片付けて、あっちこっちに報告と
連絡されてたんだもん、不機嫌になるのもわかります、わかりますけど…
本来ならこのお2人の相手をしてくれているべきなのは冴香さんなんだけど…
部屋に戻って来るなり、秋さんに強引にお風呂に連れ込まれて、かれこれ小一時間出てこられない…
シャワーの音に混じってお二人の笑い声が微かに聞こえて来るので、お風呂で溺れたりはされていないようだが
心配な事には変わりないワケで
いや、正確に言うと、冴香さんと秋さんの代わりにゆかりさん達の応対をしている、あたしと美優ちゃんの未来の方が遥かに大事なんだが
「そ、そう言えば、さっきはありがとうございました!お、お陰で3人共無傷で…」
ナイスフォローだ、妹よ!
無言で部屋を見て回っているお姉さん二人の後ろをチョコチョコとついて回って、話し掛けているのは良い判断だ!
と、兎に角何か話題を振って、お二人のご機嫌をどうにかしないと、だ
あとは…冴香さんが早くお風呂から出て来てくれたら…
「まあねぇ、国際指名手配犯が入国しようとしてたのは、国際刑事警察機構経由でお姉さん達のところにも来ていたのよねぇ」
うーん、どうもゆかりさんの声のトーンがいつもより低い…
「でも肝心の有効な攻略情報が不明なままで、取り押さえようとした公安や警察に犠牲者が出ちゃったのは…まあ、ザマミロだけど?お陰であたし達二人のスコアが伸びたから、結果オーライだけど」
スコアって…撃墜数かよ…
いつも優しい泰子さんの口調にまで棘が…いや、あれは五寸釘並みだな…お二人とも相当お怒りのご様子
「で、あたし達が呼び出されて、ねぇ」
「ま、ヘリで飛び出す直前に有効打の情報が流れて来たのはラッキーだったけど?」
「問題はその出処なのよねぇ…どうして先生のトコロからハルちゃんとシイちゃんの名前で届いたのかしら?」
「それに臨時ニュースでも見たけど、先生のトコロで事故があったみたいだし?」
「まああたし達も温泉に招待してくれてるから、そっちはチャラにしてあげなくもないんだけど?」
振り向いたゆかりさんの笑顔に、一瞬張り詰めていた空気が弛んだ
ような気がしたのは気の所為だった…
続いて泰子さんの口から衝撃的な言葉が飛び出すまでの、ほんの刹那の時間だった
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