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「私は店電に連絡してみます!お店が無事なら繋がるはずだから!」
…もし猫さんが関係してるとしたら…いや、間違いなく震源地はあの人だけど…出るかな…?十中八九、居留守使うんじゃ…
現実に秋さんも美優ちゃんもあたしも空振りだったんだし
あ、冴香さんが電話してる間に、パパに電話してみよ♫
可愛い可愛い愛する優花ちゃんからの電話は出てくれるでしょ♫
「優花!!!無事なのか!!!」
…まさかのワンコール途中で出たよ…
予想通りとは言え、余りにも早すぎないかい?
まあ、それだけあたしが愛されてるってことなんだけどね!
「にゃんさんが一緒だから安心だと思ってたら、あのヤロー、儂の優花ちゃんを巻込みやがって!」
延々とパパの恨み言、対猫さん用がスピーカーホンから流れ出し…
横にいた秋さんからは
「愛されてるわね、優花ちゃん❤」
なんて満面の笑みで冷やかされるしー!
妹分の美優ちゃんに至っては、ただただ、引き攣った笑顔が返ってくるのみ!
…まあ、あたしがご機嫌斜めになっていくのが通じているからなんだろうけど
ん?そう言えば真っ先に電話してきそうな、ママからは連絡ないなー…
ふと時計を見る
…朝の5時前に起きる人じゃあないか…あたしの朝寝坊はママの遺伝なんだから!
ふと気付くと、電話の向こうのパパが息切れしているのが聞こえてきた
どうやら猫さんへのクレームを言い尽くしたみたいだし、そろそろ種明かししてあげるか…
もしもし〜パパ〜?可愛い可愛い優花ちゃんは、あたしよりちょっと劣るけど可愛い美優ちゃんと、怒ると誰よりも怖い冴香さんと、温泉旅行に来ているのでしたー♫
…冴香さんが部屋の隅にいるからこそ出来る発言だ、本人真横にこんな事言おうもんなら、しばらくご飯が質素になっちゃう…
電話の向こうでパパの、「へ?」とも「は?」とも聞こえる声が聞こえてきて…それっきり無言になっちゃった…
まあ優花ちゃんが無事なのがわかったから安心したんだろう!
すると
「あ、まだ繋がってます?もしもし?優花ちゃん?美琴だけど?」
…あ、美琴さん…なら出ないワケにも、いかないですよね…
あ、優花です…あたし達は無事です、今女の子だけで箱根に温泉旅行に…はい…けど…猫さん達が目茶苦茶してるような?そちらの方が…
「…え?に~さまは一緒じゃないの?…そう…優花ちゃんが元気そうで良かったわ…」
をい、退職したとは言え、元従業員の無事をもっと喜べよ…
何露骨に落胆した声出してんだ?
あれ?パパの横に美琴さん?
いつも二人を見張ってる?ゆかりさんと泰子さんの声がしないのは何故?それにあたし達とタメ張るくらい夜型の美琴さんがこの時間に会社にいる?
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