学校帰りⅠ

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学校帰りⅠ

 私が通っている中学は私立大学の付属中学で、その大学とも徒歩圏内。15分くらいの所にある。  祖父はその大学の教授で、1カ月前から私は祖父と二人暮らしをしている。  それは両親が考古学の学者で、1か月前から海外に長期出張になってしまったからである。  でも、今のところ寂しいと感じたことはない。祖父の研究室には大勢の研究員や学生さんがいて、私と凄く仲良くしてくれるからだ。  それに、学校では仲良くなったクラスメイトも出来た。  今だって学校帰りにわざわざ遠回りして、そのクラスメイトの彩芽とクレープ屋さんに寄り道をして他愛もない話で盛り上がっていた。  だから毎日が楽しいし、充実もしているので不満はない。  そう、不満はない。  ないのだけど…そんな私にも悩みはあったりする。  それは、最近違和感を感じることが幾つか起こって、それが気になって頭から離れないことだ。  多分、大雑把な性格の私の事だからその内に薄れていくのだろうけど、こうして彩芽と別れて、一人になってしまうと余計なことを考えてしまったりする。
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