学校帰りⅡ

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学校帰りⅡ

 彩芽と別れたクレープ屋さんから、私が住んでいる大学の敷地内の家までは、細い裏通りが近道。この道は少し入り組んでいて、普段は住人以外の人通りが殆ど無い。  その裏通りに、今日は人影が見える。  同じ年頃の女の子っぽいんだけど、脚を引き摺っていて、凄く痛そう。  どうしたんだろう…  私は急いで駆け寄り、そして、 「どうしたの?」  と、背後から声を掛けると、私の声に振り向いた彼女に安堵の表情が見て取れた。  その表情に、取るべき行動で直ぐに応えるべきなんだけど、私はその顔に嬉しさが先に立ってしまう。 「結花さん、結花さんだよね」 「・・・」  私には絶対の自信があるのだけど、その彼女から返って来るのは「???」の顔。 「結花さんじゃ…」 「あっ、はい、そうですけど」 「わたし、隣のクラスだった愛瑠。平井野愛瑠」 「んっ」  彼女は首を傾げ、訝しそうに私を見て来る。  彼女は、転校前の学校で隣のクラスだった佐藤結花さんで間違いはない。なのに、彼女は私のことが記憶に無さそう。
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