学校帰りⅡ

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「結花さんとは、大勢でだけど校庭で一緒に遊んだことあるんだけどな…」  私が転校して、まだ1か月。一緒に遊んだのだってそんなに前でもない。なのに、彼女が私のことを全く覚えていないのはショック過ぎる。 「ごめん、大勢で遊んだ時だったら、分からないかも。その時、何して遊んだか覚えてる?」 「何をして?」  そうだ、何をして遊んだんだっけ。遊んだことは鮮明に覚えているのに、その内容が思い出せない。  それに、その時のエピソード的なことも全く出てこない。  私は、このままこの話を続けるのは気まずそうな気がして来た。なので、 「いや、ごめんなさい。それどころじゃなかったよね。何処に行くところなの?」  本題に戻る。 「駅まで。大学病院から帰る途中だったんだけど、躓いて転んでしまって、脚、捻っちゃって」 「だったら私に捕まって。駅まで送るね」  彼女は、お見舞いの為にお祖父ちゃんの勤める大学の附属病院に行き、そこから帰る途中だったとのことである。  怪我をしているので、大学病院に戻るかとも聞いたんだけど、挫いただけで大学病院は大げさなので、一旦返ってから様子を見るとのことであった。  と言うことで、私は肩を貸して彼女を駅の改札口まで送り届けたんだけど、ホントは駅まで送ったその道すがら、転校前の学校の話をしたかったんだけど、なんかショックで何も話すことが出来ず仕舞いとなってしまった。
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