サンドリヨン

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サンドリヨン

夕闇が街を染めあげ 雑踏が舞踏会の開催を告げる刻 めくるめくマスカレード 妖艶な舞と甘美な囁き 名も知らぬ 顔も知らぬその人は そよ風のように優しく心揺さぶる 肩で踊る長い髪 月のティアラに彩られ 時間の流れを忘れさせる 突然鳴り響く鐘の音は 宴の終焉を告げる 悲しきデスティニー 君は午前零時のシンデレラ 僕の手をすり抜け 足早に階段を駆け下りていく 馬車はカボチャに 衣装はボロに戻るけど このトキメキだけは色褪せない 眠れぬ夜を幾つ重ねても 狂おしいほど叫んでみても 君が掛けた魔法 ずっと解けないまま とめどなく溢れる想いは切なく 月明かり浴びて碧に染まる横顔は 今も記憶を支配している ガラスの靴はまだ胸の中に、、、
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