《scene.5》

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   ◇  じゅんくんとその友達に贈る、花をアートに描いたキーホルダーを完成させた。夜はもう深くなっていて、いつの間にか今日が昨日になっていた。  床にそのまま置かれていた二つの空グラスを片付けようとした時、端材の中に同じ曲線を持った丁度良い大きさの、小さな木材があるのに気付いた。  そうだ。あの人に絵を描こう。  今のこの気持ちを、枯れない花に描こう。  モチーフはアイリス。  心に思い浮かべるのは……  頬が緩む。  明日はサーフィンを見に、海まで下りよう。その時に渡せるように、そうね、今日作ったキーホルダーくらいの小さなアート作品がいいかな。  いつまでも枯れない心を、彼に持っていてもらえるように。 「痛っ!」  いけない。浮かれすぎ。  考え事しながら木材削ってたら、指に当たっちゃった。  あらら、血が出てきた。  血が真っ赤だー。絆創膏、絆創膏。  でも痛いのは仕方ないね。  血が出るのも、だって私は
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