びしょ濡れじゃないか

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びしょ濡れじゃないか

 イキ過ぎて苦しいから、待ってと朔に頼んだが無駄だった。凄くえっちに『待てねぇ』と囁かれ、バカみたいにイキ狂う。  そして、失神してしまった。  タンッタンッとリズム良く打ち込まれる快感と、脳に響く自分の喘ぎ声で目が覚めた。薄らと目を開け確認する。  朔がまだ、僕のナカを堪能していた。 「お、起きたか。ちょっと体勢変えるぞ」  そう言って、朔は僕の片脚を肩に乗せ、もう片方の脚に跨って動けなくした。少しも上へ逃げられない。  さらに、僕のおちんちんの根元を握る。何も出せなくして、お尻だけでイかせるやつだ。  朔の目は座っていて、息が深く荒い。寝起きのぼんやりした頭でも分かる。これは、朔が加減を放棄する時の雰囲気だ。 「(しゃく)··壊しゃないれ──にぇッ!!?」  僕の言葉を打ち消すように、朔はどちゅっと一気にねじ込んだ。一突きで息ができなくなり、浅い呼吸で酸欠になってしまう。  ふわふわとろんな僕を、朔は『可愛い』と言ってヒートアップしてゆく。熱い瞳で僕を見下ろしながら、イイ所を強く突いて抉り潰す。  そもそも、この大会の趣旨はなんなのだろう。訳が分からないけど、また誰が1番良かったかを決めなくちゃいけないのかな。毎度の事ながら、そんなのは不毛だ。  耳や頬、瞼や唇へのキスが止まない。恥ずかしさで顔を背ければ首筋へ、そして肩を強く噛まれてイかされる。  朔のおちんちんは凶暴なのに、唇はとても優しい。けれど、歯と舌は別なんだ。僕の身体を貫く快感をくれる。  腰を持ち上げクッションを挟むと、容赦なく真上から突き挿す朔。めちゃくちゃ深く挿さって苦しいやつだ。肩を掴まれている所為で、どうにも逃げられない。  朔は、皆が届かない所まで奥深く抉る。皆の知らない、僕のイイ所。朔にしか潰せない、特別な所。 「そ、こぉ····深ぁ··い゙ぁ゙っ!!?」  イイ所に当てたまま、さらにグンと押し潰す。声も上手く出せず、それどころか思うように息も吐けない。脳が爆ぜてしまいそうな、そんな衝撃を受けた。次の瞬間から嘔吐が止まらない。  けれど、胃液しか出ないのだ。胃が痙攣して、肩が震える。これが存外気持ち良い。 「すげぇ奥締まるな··。吐くの苦しいか?」  朔は、僕の胃を軽く押して問う。震えるほど吐いていて、苦しくないわけがないじゃないか。  分かっていて、そんな恍惚な表情を浮かべて言うんだよね。朔だって、大概変態さんだ。 「苦し(くぅひ)ぃ··れも、もっと····」  バカな僕の言葉を皮切りに、朔はリミッターを外した責め方をする。八千代に『頼む』とだけ言い残して、時々漏らすえっちな声以外、一切無言で突き続けた。  タオルが意味を成さないくらい、僕の背で沈んだベッドに潮とおしっこが溜まっている。八千代の溜め息が何度も聞こえた。  後で謝らなくちゃ。そう思いながらも、朔を呼び寄せ大しゅきホールドをキメてしまう僕。さらに大きい溜め息が聞こえた。  朔がラストスパートに入ると、これまでよりもさらに強く腰を打ちつける。その衝撃で、ホールドしていた手足がビンッと伸びる。 「うっは♡ あれエッロ。俺もやりてぇ〜」 「あ〜れは··流石に朔じゃないと難しいでしょ」 「ハッ····俺ぁできるわ。今度やってみっか」 「場野··くんは結にぃのこと乱暴に扱いすぎだろ」 「あ? んな事ぁねぇだろ」 「あるよ。俺ずっと言ってんじゃん。ゆいぴが喜ぶから最近言わないけどさ、俺は見ててムカつく」 「そこは変た····莉久··くんと同意見だわ」  真尋が頑張っているのが、ぼわっと微睡(まどろ)む頭の中で聞こえる。自分の中で定めた、新しい何かに向かう真尋はカッコイイ。成長を見ているようで嬉しくもある。  と、悠長に驚嘆している余裕なんてないのだった。  最後の一突きで、朔は最奥までねじ込む。僕のナカを朔で染めて、熱い精液でとぷとぷと重くなってゆく。 「(しゃく)····お(にゃか)··(あちゅ)いよぉ····」 「あぁ。結人んナカもすげぇ(あち)ぃ」  さっきまでの激しさが嘘のように、僕を包み込んで優しく頭を撫でてくれる。隣に寝転んだ朔の胸に埋もれ、お尻を揉みしだき始めたりっくんに、おずおずとお尻を差し出す。  じゅぷじゅぷと、いやらしい音を立ててゆっくり入ってくる。『ゆいぴのナカ、気持ちぃよ』とねっとり囁く。そして、後ろから耳殻を舐めると耳輪を噛み、キュッとお尻を締めさせる。 「はぅんっ····」  朔の胸で握り締めている拳に力が入る。すると、朔が顎クイをして唇を食べてしまった。舌を甘く絡める、蕩けてしまうキス。ぼーっとして、舌の熱さ以外考えられない。  そんな僕たちに、りっくんがヤキモチを煮え滾らせる。 「ふーん、俺放置するんだ。余裕だね」  りっくんは、浅い所をカリで引っ掻くように擦り続ける。ピンポイントで突かれるのとは、また違った快感が背筋を這う。 「ふあぁぁっ··!! よゆっ··ないぃ! ごめっ、なしゃ····ん、ふぅ··りっくん····んにゃぁっ、そぇ(しゅご)いのぉ♡」 「あぁ、これ? たまにすると、ゆいぴすっごい噴くもんね。ここ、気持ちイイの?」 「イイ! そこぉ··ゾワゾワしゅぅの、良しゅぎぅからぁ──んむぅ」  朔が口を塞ぐ。こっちもヤキモチなのか。僕はどうすればいいのだろう。 「良すぎるから何? 言わないんなら俺の好きにしちゃうよ?」  朔の所為で()()()()のだ。  そうか、分かったぞ。ヤキモチじゃなくて、2人して僕に意地悪してるんだ。酷いや。 「んんっ、ふ、ぅ··んっ」  今度は容易く離してくれない朔。僕の後頭部を持って、段々とキスが深くなってゆく。  息ができずクラクラしてきた。そんな中、狙い処(ターゲット)を前立腺に変えたりっくんは、痛くなるまで押し潰す。  僕は必死に唇を離し、悲痛な叫びで訴える。 「(いひゃ)ぃ····りっく··んひゃぁ····前立腺(じぇんりちゅしぇ)(いひゃ)いよぉ」 「痛いの、“嫌い”?」  あぁ、なんて狡いんだ。 「“(きぁ)い”じゃにゃい····もっと()てぇ」 「りょーかい♡ ここも、きゅんきゅんしちゃおっか」  そう言って、りっくんは下腹を指でふにふにと押す。刺激は下腹部にあるのに、快感は脳で弾ける。不思議だ····。 「ぁ··ぅ····」 「莉久、限界だ。完全に息できなくなるぞ」 「じゃ、そろそろ解放してあげよっか。ゆいぴ··イクよ」  りっくんは耳に声を落とし込むと、僕を朔の上に乗せた。朔に兜合わせをシていろと言って、自分は僕の腰を鷲掴んで高速でピストンする。 「ふあぁっ!! (しゃく)ッ、おちんちん抜けぢゃぅ゙っ····ぉ゙っ、あ゙ぁ゙っ!!」 「抜けねぇよ。大丈夫、ちゃんと生えてるぞ」 「んふっ··朔ぅ、笑かさないでよ····もう。ゆいぴ、奥思いっきり抜くよ。頑張って──ねっ♡」 「んな゙ぁ゙ぁ゙っ!!? い゙っ··ぁ゙····んぐぅ····」  前も後ろも、バカになったみたいにイキっぱなしで、絞り出したかのように潮がヂョロッと噴き零れる。そして、僕は朔の胸に落ちた。  僕が目を覚ますと、隣で真尋が眠っていた。あどけない寝顔に、心がほっこりする。 「やん····」  背後から胸を揉まれ、女の子みたいな声が出た。悪戯の主は啓吾だ。ピッタリと背中にくっつき、耳元で『おはよう』と囁く。  おバカな僕の下半身は、それだけで先走りを滲ませる。バレないよう、咄嗟におちんちんを押さえて隠したが無駄だった。
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