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泥の様に眠るとは、こういうことなのかも知れない。そう思える位に、深く眠れた感覚がある。もしかしたら、そう言ったアイテムが、この世界には有るのかも知れない。何分、魔法を使えば、敵を昏倒させられるのだ。相手を眠らせるアイテムが有っても不思議はない。
朝になって目覚めた時、勇者は既に起きていた。そして、勇者は洗って乾いた服を繕っていた。いや、器用だな。
「あ、お早う。顔色が良くなったみたいで安心したよ」
勇者は、玉留めを作って糸を固定すると、使い終えた針を机の上に置いた。
「やることもなくて暇だったから、出来そうな補修をしておいた。流石に、防具は職人任せにするけどね」
勇者は、補修を終えた服を広げて見せた。服の前側と後ろ側の生地が見事に縫い合わされている。
「これも、専門の人に任せようか」
勇者は、縫い合わせたばかりの糸を引き抜いた。そして、そのタイミングで勇者の腹は鳴る。
「……朝食を食べに行こう」
そうして、勇者との旅は続いていく。王都に、「多くの悪者を瞬時に倒した二人の物語」を残して。
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