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ぶほっ
旦那氏が吹き出した。
「…ぶっっ…黒留袖やし正にそれやんか。
でもそれやったら一生言われるわー。
じゃあ、囁かんでもええし、文章一緒に考えてー。」
という訳で、シンプルで温かい感謝の言葉を散りばめた文をあーでもないこーでもない、と一緒に練り上げた。
ネット検索よ、お世話になりありがとうございました(笑)
結局、何故か私の体重は戻らずに当日を迎えた。
着付けを終え出来上がったのは恰幅のいい老舗旅館の女将か、と見紛うばかりの貫禄さ。
いやぁー…これ写真やビデオに残るのか…うへぇー、やばぁーい…
こんなはずじゃなかったのに、と姉にこぼしながら観念してスタンバイした。
若い2人が1年間準備して作り上げた式も披露宴も、会場スタッフさん達のお助けもあって大盛況だった。
締めのご挨拶?
はい、はい。
両家両親への手紙…お嫁ちゃんの優しい性格が滲み出るようでみんなが笑顔で聞いていた。
お義父さん感極まって泣くのを必死で我慢されてる。お義母さんがそっと背中を摩っていた。
息子…途中で嗚咽が止まらない…お嫁ちゃんじゃなくてお前が泣くんかい!
お嫁ちゃんに背中ポンポンされながら読み終えた。
「何で泣くのー」なんて言われるのが聞こえてた。
さて、いよいよ旦那氏。
途中までいい感じ。これは囁かなくても済みそうだ、と思っていたら…いやいや、アンタも泣くんかい!
こちらも背中ポンポン。何とか最後まで辿り着いた。
男連中が泣くもんだから、嫁達はそれぞれに苦笑しながら背中ポンポン。
バレないように口元にハンカチを当て、時折目元を押さえる女優ばりの演技力が光る。
女は強し。
いやぁ、怒涛の結婚式は無事に終了したのだった。
そして今。
私の体重は何故かスルスルと戻ってる。
これ以上増えないことを祈りつつ、食欲の秋を迎えようとしている。
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