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しょぼい?お雑煮
お正月に食べるお雑煮。
子供の頃は嫌いでした。
お正月は四足を食べない、というのが私の居住地域の風習。
お雑煮は鰹出汁に小松菜、そして餅。のみ。
それだけなんですよ。
写真やテレビでみる、大根や人参、かまぼこやお肉が入った豪華なお雑煮じゃないんです。
ほうれん草ならまだしも、少し苦みのある小松菜自体子供の頃は苦手だったし。
とにかく、彩りもなくショボい。
朝食は、おせちと小松菜のお雑煮という三が日はとても苦痛でした。
一人暮らしをした時には、ホッとしたくらい。
ところが。
いざ自分一人でお正月のお雑煮を作ろうとすると、クックパッドを見ても、料理本を見ても、イマイチという気分になる。
長年の習い性と言うものは恐ろしいもので、小松菜のみのお雑煮以外を受け付けない身体になってしまっていた。
厚切り鰹節で、じっくりゆっくり出汁をとる。
使うのは一番出汁のみ。
うっすら黄金色くらいがいい。
そこへ、小松菜を投入。
だし醤油で味を整えたら、餅。
焼いても美味しいけれど、焼かないつるりんととした餅。
溶けてどろっとしない内にお椀へ。
七味唐辛子をふり、ユズ皮をのせたら出来上がり。
本当に話すべくもないくらい、地味〜なお雑煮なのだけれど、これがお正月の寒い朝に、身体にじんわり染み渡る。
母に話すと笑う。
「料理はこれ、って決まっていないのだから好きにすればいいのに。まぁうちは、お父さんがほかの味を受け付けないから、ほかのお雑煮を作れないんだけどね」
もしかしたら、「小松菜のお雑煮ヤダ!」 と、子どもの私に言われて、母も葛藤したのだろうか。
その上で小松菜のお雑煮を作り続けてきたのかな。
大人になって母の料理を思うと、文句を言っていた自分が腹立たしく、母に申し訳ない気持ちになる。
嫌いって言ってごめんね、お母さん。
小松菜のお雑煮(我が家のお雑煮)、大好きだよ。
↑
実家を出て一年目の自作おせち。
大変な割に綺麗でもなく、二度とやるまいと悟った
◇ ◇ ◇
仲良くしてくださる皆さま、
読んでくださる皆さま
いつもありがとうございます。
ここに来て、皆様と知り合えて
読んで貰えて話せる幸せを知りました。
色んな美味しいハナシ、楽しかったです。
2023年、美味しいハナシ
一先ず完結です。
よろしければ2024年でまた、ゆるゆるお喋りにお付き合いくださいね。
みなさま、良いお年を。
2023年12月29日(金)
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