サレ妻秘密のオンラインサロンオープン

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サレ妻秘密のオンラインサロンオープン

入会希望者募集の告知ページの公開から一週間後に募集を開始した。すると、早速私のフォロワーからの申込みが二十名ほど集まった。そしてその一週間後に『サレ妻秘密のオンラインサロン』はオープンした。 お金儲けが目的ではない。だから、それほど人が集まらなくてもいいとは思っていた。私が一人でDMに返事をする手間がこれで少し楽になればという考えだった。しかし、実際オープンした時点で会員の数は五十人を超えていた。 (こんなに集まるなんて予想外だった。やっぱりプラットフォームを利用してよかったわ) どうせ個人的にやるものだし、既存のプラットフォームを利用せず独自にサイトを作ろうかとも思った。しかし決済システムや入退会の手続き対応などの煩雑さを考えて、手数料がかかっても既存のプラットフォームを利用したほうが良いと判断したのだ。 開始からしばらくは運営に慣れるのに必死だった。日中は仕事に育児に家事をこなし、休憩時間や夜中などにサロンの管理を行う。 それでも、数ヶ月もすればツイッター上で個別にDMを返していたときより余裕が出てきた。 これまでオープンな場ではなかなか話せなかったようなことも、会員限定の安心できる場で話せるようになったとサロンは好評だった。そして、私自身も相談できる相手が増えて助かると思えるようになっていた。 『sanyさんの旦那さん、ママ活まだやってるの?』 と、mii@サレ妻こと美雪からLINEが来た。 『たぶんまだやってる。いつどうやって問い詰めようかまだ迷ってて……』 私はそう返信した。するとすぐに既読になり返事がくる。 『そっかー。どんな感じでやってるのか現場を見てみたいよね』 (見れるものなら見てみたいに決まってるけど……) 私はウサギが「うんうん」と頷いているスタンプを送った。するとまたすぐに返事が来る。 『ちょっとしたいたずらを思いついたんだけど、気を悪くしないで聞いてくれる?』 彼女は更に続けた。 『私は沙奈の旦那さんよりかなり年上だよね。今アラフィフだから』 私も夫もアラサーなので、たしかに彼女は少し上の世代だ。 『私が客のふりをして旦那さんにママ活を依頼してみるのはどうかな?』 (は……?) 『つまり、サクラになるの。それで旦那さんの様子を見てみるの』 そんなこと考えたこともなかった。だけど、私は驚いたと同時に、それが妙案に思えてならなかった。 子どものことを考えて夫とは離婚しないつもりではあった。だけど、このまま彼が反省もせずにママ活なんて続けていることを黙っているつもりもなかった。何らかの方法で問い詰めて反省を促そうとは思っていたのだ。 だけど、それをしてしまうと結婚生活は冷え切ったものになるのは間違いない。 (いきなり問い詰めずに、彼が何をやってるか見てからどうするか考えるのもいいかも……) 私は彼女の提案に飛びついた。サロン運営を手伝ってもらっている彼女には直に会ったこともあり、信用ができる。私たちは二人で夫を騙す計画を立てた。
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