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***
「何勝手に家抜け出してんだテメェは!?」
「がはっ!」
ガツン! と、叔父は僕を思いっきり拳でぶん殴った。
どうやら、家を抜け出したことがバレていたらしい。帰ったら、祖母たちが起きていた。そして、僕は今見ての通り殴られている。もう殴られてから軽く三十分が経つ。
「全く…親に似てとんだ不良だよ!!」
叔母が嫌気を指しながら吐くと、叔父も呆れて言う。
「はっ! もう殺しちまうか? この糞餓鬼?!」
「あんた、それは犯罪だよ?」
祖父の言ったことを祖母がすぐさま止める。だが、こんなのは救いの手にもなっていない。なぜなら、結局は殴られ続けるからだ。死なない程度までに。
顔面は血まみれで、お陰に体までアザだらけ。そんな僕を見ても、祖父は一ミリもためらうことなく、さらに僕を思いっきり殴り続けた。何回も、何回も。
「死ね! 死ね! 死ね!! この餓鬼ィッ!?!」
「………クッ!」
――耐えろ…!耐えろ!! あと二日……あと二日だ!
僕は我武者羅に願うことしか出来なかった。歯向かったら倍にして殴られるだけだからだ。
だから、何も言えず、ただ殴られるだけだった。
***
十二月三十日。
……僕が自殺するまでもうあと一日を切っていた。
僕の心は、すでにボロボロに砕け散っている。だから、何も感じない。恐怖なんて全く感じない。
むしろ、早く死にたいまでだ。
――あー、早く明日になんないかな?
寒い真冬の中、僕はまた家を抜け出し、朝方の外に出ていた。今度はちゃんと、祖父母たちの許可を取って……。
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