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9 ありがとう。行ってきます。
「うん。こんなもんかな。」
一週間後、ケイは荷解きを終えた新居を見回した。
実家の戸建てに比べればかなり狭いが、それでもこれからの新生活にワクワクしていた。
コトン…
「無事に引っ越し終わったよ?」
ケイはテレビ台に写真立てを二つ置き、優しく口角を上げた。
『ケイ君! 大好き!!』
優しく耳の奥に甦った大きな声に、ケイは目を細め口を開いた。
「僕も大好きだよ。お母さん。」
僕は頑張って生きていくから。
だから、もう大丈夫。
どうかそこで、見守っていて下さい。
完
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