6.生まれて初めて

5/8

228人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
「あぁ一一一~~~!」  予想より早く、先に果ててしまった…。体中が熱くて朦朧として力が入らない。 「叶羽くん、大丈夫?」 「…っは、大丈夫。ごめん、手に…」 「…ん、可愛い、」  憂くんは僕の脇に手を入れて体を起こしてから、寝転んだ自分の上に僕の体を乗せてきた。  出したばっかでくっついたら汚しちゃうのに…もうそんなこと言う余裕がない。 「俺、調べたんだ。男同士のやり方。でも、よく考えたら叶羽くんの方が慣れてるって思ったら…」 「…っう、あっ」 「…ちょっと、なんだろう。これが嫉妬ってやつなのかな」  ぬるぬるした物を纏った憂くんの指が、僕の中にゆっくりと入ってきて優しくかき乱す。  向かい合ってるし、上に乗ってるから顔を間近で見られてる…。 「やばい、可愛い…」 「…っ!あ、そ、そこだめ…っ」 「ここ?」 「ぁっ…一一一!んん…」  ていうか、嫉妬って…僕の今までの彼氏に?  あの憂くんが嫉妬してくれてる…。どうしよう、それだけでまたダメになりそう。 「あっ…ぼ、僕だって、嫉妬するよ…」 「え?」 「そ、その…憂くん、セフレいっぱいいるって言ってたじゃん…。夜も呼ばれて行ってたし…」 「…うん、ごめんね。何も分からなったとはいえ、ふざけた事してたなって思うよ」  あ、しまった…責めたい訳じゃないのに。  妬いてくれたことが嬉しくて、今まで僕も感じてた嫉妬がつい…。 「違っ…ごめん、今のは」 「だから、叶羽くんがもう不安にならないように、いっぱい愛情表現するから…何か心配なこと感じたら言ってね?」 「…っあ、う、ういくん」 「もちろん、今まで関係持ってた女の子達も1人残らずちゃんと話して切ってきたよ」 「ぁ、ぁ…っ、うん、」  憂くんの言葉全部が嬉しいのに…。  話してる間も、指の動きは止まらなくてこのままじゃまた僕だけいってしまう…。 「はっ…、まって…」 「ん?なに?」 「も、もう入れて……」 「え…、でもまだ…調べた時、しっかり時間かけて解した方がいいって」 「え!そ、そこまで詳しく調べてくれたの?僕のために?」 「そりゃそうでしょ!それ以外なにがあるの!」  キュン…。  やばい、もう胸がギュッてなる。止まらない。 「…ありがと、でも、もう入れて」 「でも…」 「早く憂くんの、ほしい…早く僕のものになってほしい」 「…っわ、分かった」  こんな欲に忠実になるの初めてかもしれない。こんなに、独り占めしたくて、愛しくて仕方ないの。  自分にこんな面があるなんて…。 「じゃあ入れるよ、痛かったら言ってね」 「…っん、」  手早くゴムをつけた憂くんは、体を起こして僕に被さると、ゆっくり当てて中へと入ってくる。 「あっ…は、ぁ…一一一」 「っ…は、きっつ」  眉をしかめて、汗を垂らしながら動き始める憂くん。いつもの綺麗な顔が歪んでる。快感で、しかも僕でそうなってるのが…  これ、堪らないっていうのかな。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

228人が本棚に入れています
本棚に追加