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憂くんが動く度に、頭がチカチカする。最初は少しキツかった圧迫感も、苦しさも全部を快感として拾い集めてきてせり上がってきてしまう…。
「…っ、くっ、痛くない？」
「んっ…一一一うぅ、痛くな…あぁ一一～～！」
「叶羽くんも、気持ちいい、？」
「うん…っ、ぁ、ぁ一一一！やぁ…それっ、待っ…」
「むり、もうむり…止まれない…っ」
出会ってからと再会してからのことを思い出すと…、こんな風に憂くんが自分の感情を出して、思いのままに求めてくれるようになるなんて…嘘みたい。
夢みたい。
「キス、して…っ、叶羽くん…！」
「んっ、ぁ…うん…っ、」
汗ばんだ憂くんの頬に手を添えて、自分の方に引き寄せ、唇を重ね合わせる。そのまま激しく貪るように舌を絡め合うと、一層お互いから熱い息が漏れた。
何も映していなかった彼の瞳の中には、僕だけがいる。僕だけを映して閉じ込める。
ずっとその目は僕だけに焦がれて、僕だけを閉じ込めていてほしい…。
「ぁ、ぁ…っ、憂くん、僕、もう…っ」
「んっ…、いいよ、俺もっやばい…」
「いっ…一一一！あぁ…っ、！」
「好き…っ、叶羽くん好きだよ…、」
限界を迎えそうになった時、より体の動きが早くなって…僕は離れないように首に手を回して憂くんを抱きしめた。
「僕も…、好き！好き…っ、あぁ一一一うぅ…一一一！」
「あ……っ、いっ…く、」
僕が限界を迎えた後に、憂くんも欲を吐き出した。2人の触れている心拍数が、小刻みに速く跳ね上がってる。
それを落ち着かせるように、荒い呼吸を繰り返して…憂くんは僕の体の上で脱力して項垂れた。
「はぁ…っ、はぁ、大丈夫？叶羽くん…」
「うん…、憂くんは…？」
「大丈夫。ごめん、理性どっかいっちゃってた…興奮しすぎて」
「えっ、！？う、うん…」
まさかのストレートな発言。びっくりしたけど嬉しい。
「あっベタベタだね…、拭くからちょっと待って…」
「ねぇ、叶羽くん」
「ん？」
「俺、今すっごい…なんだろ、幸せ…って思うよ」
「憂くん…」
「今まで、感情が無かった時でも体は反応してたからこういう事も出来てたけど…別に気持ちいいとか感じたこともなくて…。だけど、好きな人とこうやってするのが、こんなに気持ちよくて幸せだって…知らなかった。今初めて分かったよ」
「…っ」
もう…重くてもなんでも…、憂くんへの気持ちは惜しみなくさらけ出したい。
そう思ってしまった。
「…僕だって、今すごく幸せだよ。これからも」
「うん…、これからもずっとだね」
「あのさ、好きが歯止め効かなくなるかもだけど…いいの？」
「いいよ。俺も同じだし」
「じゃあ…」
僕は熱が冷めてひんやりした憂くんの体に歯を当てて、そのまま噛み付いた。
「……っ、いっ、」
こんなこと、付き合ってすぐなんて今までしたことなかった。いきなりこんなことして引かれたらどうしようとか思ってたし…。
でも今は、全部出したくて仕方ない。
「…ずっと一緒にいてね。憂くん」
憂くんの鎖骨の下あたり、くっきり赤黒くついた噛み跡。僕のものっていう印。
「…ふふ、何これ。叶羽くんのものっていう印？嬉しい。俺もつけていい？」
「うん、いいよ」
「体中に」
「……体中？」
引かれるどころか…
もしかしたらこの人は、僕と同じくらい…いやそれ以上の気持ちをさらけ出してくれるのかもしれない。
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