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115号室:奇妙なゴミ箱
行き場をなくしたロボットたちがこの和氣団地へ集まって、淡々と電気を作るだけの日々を送るようになって、26年3ヶ月と2日め。毎日、かつての時間に則って、彼らは動く。
7時に起動。部屋を出て、公民館の中にある電力装置を動かす。団地の中に残っていたランニングマシンやサイクリングマシンを改造した電力装置だ。8時から22時まで電気を作り、23時には部屋に戻って、充電装置に腰掛け、次の朝までシャットダウンする。
人間の生活していた部屋だから、使っていたであろう家具はそのままだ。テレビやラジオ、パソコンは机の上に置かれたまま。しかしその画面はなんにも映さず、なんの音も響かせない。
それがなんなのか、当然知識として理解はしているが、それが人間にとって何をもたらしていたのかは知る由もない。
115号室に住むマルは、その中でも、特に気になっているものがあった。
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