そこまでしてくれなくて、いいんですよ

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「いや、ミナミちゃんは家に帰ってゆっくり風呂浸かって寝るのが優先だ」 そう言ってマサトさんはあたしをおんぶして立ち上がった。 この歳でおんぶなんて、しかもマサトさんにされるなんて驚きと戸惑いで感情がごっちゃになる。 「ミナミちゃん、このまま帰るぞ」 「え⁉︎ あ、あの、あたし、歩きますので!」 「そうだな。またゆっくりコーヒー飲みにおいでな」 「あ、マ、マスター! あの、本当にありがとうございます!」 「おう。おやすみ」 ひらひらと笑顔でマスターは手を振り、あたし達を見送った。 あたしはマサトさんに何度も降りると言ったけど、聞き入れてもらえなかった。 マサトさんはあたしを、背負いたいらしい。 こんな体重の重たいあたしを背負わせてしまってる事に、罪悪感しか感じない。
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