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マサトさんの行く道は、マサトさんの家だった。
部屋まであたしを背負ったままで、ソファに座らせるとお湯を沸かし、お風呂を溜め、何から何まで世話をしてくれた。
あたしがソファから立ち上がろうとすると「こら! ミナミちゃんは大人しく座ってろ!」と注意してくる。
とりあえず言う通りに座り、マサトさんが淹れてくれた暖かいお茶を飲んでゆったりとした時間を過ごした後、マサトさんが用意してくれた着替えを持って、お風呂に浸かった。
お風呂から上がるとマサトさんはあたしの髪を丁寧に乾かし、あたしがまた暖かいお茶を飲んでいる間に自身は10分でお風呂を終わらせ、一緒にベッドで眠った。
人の体温って、なんでこんなに気持ちいいんだろう。
人の、って言うより、マサトさんだから、が大きいのかな。
ゆっくりと頭を撫でてくれる手が気持ちいい。
あたしをキツくない程度に抱きしめてくれる体温が気持ちいい。
目を閉じると、秒であたしは夢の世界に入っていった。
やっと本当に安心して眠れた。
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