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その言葉と共に冷蔵庫を開けると、本当にお酒しかなかった。
わお……マサトさん、普段何食べてるんだろう。
調理器具は何となくあったけど、使ってない感じだったし、今から何か食材を買って作るのもありだけど、それなら食べに出た方が早い気もする……。
「……ファミレス、行きましょうか」
「だな」
「今度マサトさん家来るとき、何かしら買って冷蔵庫に入れてもいいですか?」
「おー。つか、もうすぐミナミちゃん家にもなるんだし、好きにしなよ」
「でもマサトさんの家なんですから、あたしが好き勝手にするのも……」
「その俺がいいって言ってんだろうが。なんかあればすぐ文句言ってやるから」
「は、はい……」
なぜか怒り気味に言うマサトさんの圧に負けて、頷くことしか出来なかった。
鍵を閉め、お尻のポケットにしまうとマサトさんは手を差し出しす。
その手に自分の手を重ねて、いつものように繋いでくれる。
……この手の意味は、考えていいのかな。
結局今日も聞けなかった。
はっきりさせた方がいいと思うのに、なぜか喉がキュッとなって聞けない。
あたしは、マサトさんとどうなりたいんだろう。
マサトさんはあたしと、どうなりたいんだろう。
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