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「元気いいなー。ほれ、そのでっかい鞄をオニーさんに渡しなさい」
「自分で持てますよ」
「俺に持たせろって言ってんだよ」
「えぇ……じゃあ」
そう言ってマサトさんに仕事用の小さな鞄を差し出した。
「舐めてんの?」
「だ、だってマサトさんに持たせるわけには……」
「言っとくけど俺はそんな非力じゃねーぞ」
パッと肩に掛けていた泊まり用の鞄を奪い取られた。
「あっ、」
「ほら行くぞ」
先頭を歩くマサトさんに置いていかれないように、ちょっとだけ小走りになって隣を歩くと、マサトさんはあたしのペースに合わせて歩いてくれた。
こういう、何気ない気遣いにキュンときてしまう。
なんだかんだマサトさんは優しい。
初めて会った時からこうだったから、元々マサトさんは優しい人なんだと思う。
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