夢で逢いましょう

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相変わらず誰かに相談出来る訳でもなく、立証出来る訳でもなく、私は怒濤の5日の夜が終わった。 確かに次の日には深雪さんは現れなかったし、会いたいと思っても会えなかった。 暫く人と触れ合う事がしんどくなり、夢を見てもなるべく1人になり、海を眺めたりしている日が続いた。 夢を見ない日は絶対にないので、人を避けたい時はそういうやり方を昔から取っている。 夢の中では私は無敵だから。電柱の上にでも登れば大体人と関わる事はない。 私の処世術だ。 現実ではそんな事とてもじゃないけど出来ない訳だけど。 日中たまに深雪さんの事を考えたりもしたけど深追いしても虚しくなるだけなのは分かっていた。 私には何も出来ない。 深雪さんが実在しているのは確かだろう。 しかし残念なのは確かめようがない事だ。 今までならそれらしき住所に行けば大体夢の中の住人に出会えていた。 けれど今回は難しい。 時が前後し過ぎていて、昨日、今日とかの問題ではないからだ。 私は一応、彼女の犯罪を新聞やネットで探した。 けれど、奥村深雪、殺人、私が知っている情報だけでは足りなさすぎた。 結局私の5日間の情報なんてそんなものだ。 顔や、声、体温等はハッキリと覚えているし、部屋にあった空のタバコの銘柄だって言える。 でもそんなのは何の役にも立たない。 私はやっぱり何も出来ない。 彼女が最後に残したメッセージの切れ端さえ掴むことは難しい。 でも彼女はどうして私の夢を知っているのだろう?夢の中の住人を知っていたのだろう? たまたま? 分からない。 もし確認が出来るとすれば、あの老人ホームにいる老婦人が今本当に認知症になり、私が教えてあげた星の形の折り紙を折り続けているという姿を見る事だけどだ。 でもそれをして何になる?そうだとして、何が繋がる? 私は結構長い時間をかけて深雪さんとの夢の謎解きをしていた。 けれど結局、どれだけ考えても答えは出ず、いつ頃からか私はその夢を遠ざける事で夢に対するストレスを無くそうとしていた。 出ない答えを一人で追い続ける程辛いものはない、、、 せめて、あと数日だけでも彼女がいてくれたら、、、 私は考える事を諦め、中学を卒業しようとしていた。
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