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2日目は彼女は笑顔だった。
部屋も綺麗に片付いて、彼女は化粧もしている。昨日とは別人だった。別の人かと思う位だったが、散乱していたゴミはなくなっていたが、昨日見たアジアンテイストなインテリアはそのままだったから、昨日と同じ所に来たんだな、と認識出来た。
その日の彼女はとてもご機嫌で、その理由を聞くと明日彼氏とデートなのだと。
何かの記念日だと言ってた。
私の前で洋服を脱いだり着たり。忙しそう。
本当に同一人物何だろうか?
どっちが過去で、未来なのかも分からなくなる。
今までの夢はちゃんと時を刻んでいた。
でも昨日の彼女が今の彼女になるのには少し無理がある。
今日はタバコだって注射器だってない。
昨日あんなにげっそりしていたのに今日の彼女は非常に肌艶がいい。
昨日の悲しいハグとは違い、今日の彼女は饒舌だ。
終始彼女が喋りまくり。ある意味私が望んでいた大人の女性の典型という恋にトキメク可愛らしい女性だった。
歳は離れているけど結局恋話に花を咲かせてしまい私達は盛り上がった。
近くのコンビニで沢山のお菓子や飲み物を買って遅くまで話をした。
そして気がついたら私は現実の朝になっていた。
朝から胸焼けがする、、、ポテチを食べ過ぎたみたい、、楽しくてつい夢の中だというのに、分かっているのにまたやっちゃった、、、
そんな時は当然朝御飯はパスして登校する。
私は彼女の変貌ぶりが気になった。
今までは夢の中の人にそんなに気になる人はそういなかった。
ただ遊んで、話して、楽しかった。
それだけの関係だった。
なのに私は彼女が妙に気になった。
今までの夢とは違う時系列。
私がいつかたどり着くであろう、そう遠くない大人の女性。
そうありたくて、そうなりたくない女性の物語。
話の中身を纏めると、彼女は奥村深雪さんというOLで22才の普通の独り暮らしの普通の女性。
美人というより可愛らしいタイプてハスキーボイスだけど丸みのある女性的な体つきをしていた。
最近声をかけられた男性とお付き合いを始め方らしく、ラブラブらしい。
確かに洗面所には髭反りや二本の歯ブラシが置いてあった様な気がする。
それが2日目までの彼女の情報。
1日目の事は聞けなかった。
私は深雪さんの彼氏との、いや、正しくは大人の恋愛なるものが気になって3日目の夢の中に会いに行った。
嫌な匂いがする。
あぁ、タバコ?また?ううん。ちょっとそれと混ざって違う匂いも、、、
やけに暗いし狭い。どこ?ここ?
私はやけに体を圧迫された暗い場所にいる。
しかし体の真ん中あたりに光が差し込む。
薄暗い中私は自分の場所を確認する。
クローゼット??何で??
息苦しいので私は外に出ようとした。
私は少し扉を開いてからその手を止めた。
目の前の光景が激しく恐ろしかったからだ。
思わず開きかけた扉を閉めた。
何で、、!?何、、これ、、??
そこで初めて耳を澄ます。
確かに私は深雪さんの部屋にいる。
けれどそれはクローゼットの中で、確かに外のベッドの上には深雪さんがいる。
だが、そこにいたのは深雪さんだけではなかった。
何人かの男の人の声。
入れ替り立ち替わり何人かの男の人の声。
そして軋むベッドの音と声にならない声で唸っている深雪さんと、それを嘲笑う男達の声。
私は聞きなれない音と声、尋常でない深雪さんの声、乱暴な言葉。
何が起こっているのか分からなかった。
怖かった。逃げ出したかった。
でもどうやって逃げていいのか分からなかった。
私はクローゼットの中で丸まって嵐が過ぎ去る事を祈るしかなかった。
怖い。怖い、、、早く終わって、、、!
どれだけ時が経っただろう、、、やがて静かになった。
隙間から覗く。部屋は静かになり、深雪さんはベッドに横たわっている様だった。
細心の注意を払い私はクローゼットから出た。
、、!!!!
声が出なかった。
何、、、これ、、?!
床には1日目に見た注射器と机の上には沢山のアルコールと灰皿には沢山のタバコの吸殻。
強盗でも入ったのかといわんばかりの乱雑さ、一部の家具は倒れていた。
ベッドに横たわる深雪さんはピクリとも動かない。暗がりだったので分からなかったけど、近づくにつれ彼女がちゃんと呼吸しているのは分かったが、異様だったのは彼女の服は破れて、ベッドのシーツはぐちゃぐちゃだった。
深雪さんは仰向けにはなっているが顔を横に向けていて、その顔にはくしゃくしゃになった彼女の髪の毛がかかっていた。
彼女に近づくにつれ、鼻にツンとつく臭いが強烈になってきた。
これまた嗅いだ事のない臭い。
その臭いは深雪さんから発される物だと分かった。
その時はよく分からなかったが深雪さんの体中に汗ではない何かの液体が沢山まとわりついている事。
そして彼女の腕には沢山のアザがあった事。
尋常でない状態の状況と彼女を見て、私はさぞ酷い事をされて彼女は怯えているのではないかと心配した。
「深雪さん???」
私は彼女の顔面に張り付いていた彼女の髪の毛をかきあげ彼女の顔を覗きこんで声をかけた。
私と目があった。
泣きはらした様な瞳ではあったが、彼女は私を見て微笑んだ。
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