2.腹黒Domの催眠プレイ

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2.腹黒Domの催眠プレイ

 ちゅっと音を立てて軽く凪の唇や頬にキスする。小さな白い顔に今は疲れからクマが出来ていた。黒い髪で、起きている時は吊り目だから黒猫みたいな凪。目を閉じて半分眠りかけの彼は僕のキスに反応してくすぐったそうに笑った。 「凪……可愛い」  僕は凪の着ているTシャツを首まで捲り上げた。 「邪魔だから裾のとこ咥えてて?」  凪は従順にTシャツを口で咥えた。可哀想に、仕事漬けで遊びに行く時間もないから日焼けもせず白い肌。僕はなめらかな皮膚に指をすべらせる。指先が胸の先端に触れると凪の体がぴくんと跳ねた。そこは僕が以前からじっくり開発してきたから赤く、いやらしくぷっくりと尖っている。 ――相手の同意なしでプレイするのはマナー違反だけど……酷いことはしてないから、ね?  僕はDom(ドム)で、凪はSub(サブ)だ。  この世の中には男女の他にダイナミクスと呼ばれる第二の性――DomとSubが存在する。Domは支配と庇護の性と言われ、Subを支配したり庇護したいという欲求を持つ。それに対してSubは信頼と従属の性であり、信頼するDomに支配され、従属することを求める。第二性の特徴が現れるのは一部の人間で、ダイナミクスの特性を有さない人はニュートラルと呼ばれていた。 ――大学生になるまで、凪は自分のことをニュートラルだと信じてた。だけど僕は凪がSubだって、もっと早くからわかっていた。  彼の無意識下で僕が彼を甘やかし続けてきた。だから彼の欲求不満が募ることはなく、Subとしての深刻な症状が表面化しなかっただけだ。 「凪がつらくなったときはいつも可愛がってあげてるからね」  そうつぶやいて尖った赤い実をペロリと舐める。すると普段口の悪い凪とは思えないような甘えた調子で彼は吐息を漏らした。それを聞くと背筋がぞくぞくしてくる。 ――こうやって無意識にDomを誘うのが上手い……。  しばらく胸を好きなように舐め、きゅっと先端を吸い、彼の鼻にかかった声を楽しむ。こうやって甘ったるい凪の声を聞いてるだけで僕の体も熱くなりボトムスの前が窮屈になってくる。舌で柔らかい肌を味わいながら、僕は密かに凪の細い脚に昂ぶりを擦りつけた。  催眠がかかってないときはむすっとして言葉少ない凪。口を開いたかと思えば悪態ばかりで、僕に対しても基本的に冷たい。だけど、本心では甘えたくてしょうがないのがこのときばかりはよく分かる。だから普段どんなに冷たくされても構わなかった。 「凪、次はどうする?」 「ん……っ、ふ……」 「say(言って)」  すると彼は自由にならない口で言う。 「ひはも……さわっへ」 「下も触って欲しいの?」  コクコクと頷く凪。朦朧としながらも指示通り口からシャツを離さないでいる健気さ――。SubはDomにコマンドと呼ばれる命令を出され、それに従うことで喜びを得ることができる。 「ちゃんと言い付けを守っていい子だね、凪」  褒めて頭を撫でてやるとうっすら目を開けて凪は微笑んだ。
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