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Domに褒められることはSubにとっては何にも代え難い快感だ。僕は彼の口からシャツをはずしてやり、その唇にご褒美のキスをした。同時に彼のスウェットを引き下ろして性器を直接掴む。胸を舐められただけでソレはそそり立ち、先走りで濡れてつやつやと光っていた。その先端に手を伸ばし、指で摘んでゆるゆると動かしてやる。
「ん……ふぅっ……」
僕の指の動きに合わせて凪の体がビクビクと痙攣するのが好きだ。彼は腰を微妙に揺らしながら感じている。
とろんとして焦点の合わない目は彼が既にサブスペース――Subが完全に相手Domに信頼を預けることで到達する精神領域――に入っていることを示していた。この目に見つめられることで僕はDomとして最高の喜びを感じる。凪の目に涙が浮かんで、黒い瞳がゆらめいた。
「凪……」
感極まって僕は何度も唇を重ね、啄んだ。ミルクティーの香りがする凪の吐息に酔いそうだった。
――僕の凪はこんなに可愛い。今でも子どもの頃のまま、僕のヒーローでいようと強がって……。
Subだということを僕に知られたくなくて必死な凪が愛しい。バレバレだけど、凪が僕のヒーローでいたいなら知らないフリをしてあげる。
だけどその代わり、一番そばにいさせて。凪の食べる物も、飲む物も、僕が作るから。凪の体は丸ごと僕のもの。誰にも触らせたくない僕の凪――。
凪が今の会社でつらい思いをしているのはわかってる。だけど僕は辞めろとは言えない。僕が凪を養うのは簡単。だけど、仕事がつらくてボロボロになってる凪に頼られたい。僕が凪の生活を全部コントロールしたい。忙しさで誰にも会えずに寂しく思ってほしい。僕しかいないって思ったままでいて欲しい――。
最低な考えだと自分でもわかっている。だけどDomの本能が凪のことを求めてやまない――甘やかしたくて、ちょっとでも凪が離れて行こうとするのが苦痛でたまらない。
僕は凪の綺麗な瞳を見つめたまま手の動きは止めず、彼の息の速さに合わせてスピードを上げた。そして凪がいよいよ切羽詰った声を上げる。
「あっ……もう出そうっ! 煌星」
「どうする? このまま手でイく? それとも……」
凪は涙をこぼしながら訴えてくる。
「口、口が良い。煌星の口でして……」
顔を真っ赤にして懇願する凪が可愛くて頬が緩む。けれど少し意地悪をして「僕に命令するの?」と問いかけた。
「……ちがう、ちがうけど……っ」
「してほしいときはなんて言えば良いんだっけ?」
僕は彼のものをきゅっと握った。すると凪はほうっ、と息を吐いてから震える声で言う。
「お、お願いします……お願いします。口でしてほしいです」
「じゃあ、Present」
凪はぶるぶる震える手でTシャツの裾を持ち上げて自ら胸を晒し、足も思い切り広げてこちらに下半身を見せつけてくる。期待で腰が揺れるたび、そこがふるふると揺れてとてもいやらしかった。
「上手だね、凪。そんなにしてほしいの?」
「してほしい……煌星、お願い……」
「どうして僕にしてほしいのかな?」
「それは、だって……」
凪は足を開いたままの格好で恥ずかしそうに身をよじり、耳まで赤くなる。
「僕じゃない男でもいいのかな?」
「だめ! 嫌だよ。煌星じゃないと――」
「だからそれはどうして? 凪、Say」
彼は息を荒くしつつ、気持ちいい方法で達したい一心でつぶやいた。
「……好きだから」
「何が? フェラが?」
「ちがう。煌星のことが好きだから」
「Good boy」
僕の欲しかった言葉を言い当ててくれたご褒美に望み通り凪のペニスを口に含む。彼の一番好きなところを舌で舐めあげ、口をすぼめてすすり上げた。
「ああっ! きもちいい。それいい……っ」
何度かしごくみたいにして唇でピストンすると、啜り泣くような甲高い声を上げて凪が僕の口の中で達した。ほとばしる苦い液体を僕は迷わず飲み込む。彼の唾液も精液も全て僕のものだから。
その後もしばらく痙攣している凪。足を開き、僕に全てを見せて気持ちよくなってしまう凪。僕の言うことを何でも聞く可愛い僕のSub――。
サブスペースに入ったまま眠りについた愛しい幼馴染の体を濡れたタオルで綺麗にする。
僕の簡単な催眠は、彼が絶頂に達して眠り、翌日起きたら何もかも忘れるようになっている。
朝になると凪はもうこんなにいやらしく僕の口で果てたことは忘れて、また僕に悪態をつく――。
「おやすみ、凪」
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