19.【最終話】催眠無しで甘やかされる凪

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19.【最終話】催眠無しで甘やかされる凪

 煌星の甘ったるい言葉にドギマギしているうちにそっとベッドに寝かされた。 「さあ、ここからが本番だよ凪。Strip(脱いで)」 「え、あ……自分で?」 「そうだよ、できる?」  優しいけれど強い意志を込めた視線で見つめられて鼓動が速くなる。 ――やべえ、やっぱり俺にはこんなの耐えられないかも……。 「無理そうなら今日は僕がする?」 ――くそ、俺が嫁にもらうって言って連れ帰ったんだから、これくらいやれなくてどうする。 「できるに決まってんだろ!」  俺は自分で服を脱ぎ上半身裸になった。どうだとばかりに煌星の顔を窺うとにっこり笑った彼に「続けて」と促される。 「く……っ」  履いていたスウェットも脱いでとうとう下着一枚になってしまった。恥ずかしさで顔を横に背けたら煌星に「Look(目を逸らさないで)」と言われて仕方がなく目を合わせる。 「可愛いよ、凪。よく頑張ったね」  今度は煌星からキスしてくれた。ついばむようなキスがくすぐったくて、笑みが溢れそうになる。すると今度は俺がさっきしたのよりもっと深く口づけられた。表面を舐められ、唇を吸われたかと思うと口の中に柔らかい舌が入り込んでくる。 ――ああ、これ……なんだか安心する。  煌星の温かい体の一部で自分の体の中を撫でられている感じ。ゆるく柔らかく、溶けていくような感覚に頭がぼうっとしてくる。 ――気持ちいい……。  やがて彼が口を離し、満足そうに自分の唇を舐めた。 「少しリラックスしてきたかな。凪、次はどこを舐めて欲しい? どこで気持ちよくなりたい?」 「どこって、そんなのわかんねぇ」 「そうか。じゃあ……こっち?」  煌星が胸に舌を這わせる。尖った部分を口に含み、吸われると背筋が痺れて変な声が出た。 「ふぁっ……」 「ふふ、凪はここ吸われるのが好きだよね」 「そ、そんなん知るかよ」  その後も執拗にそこを舐められ、あまりのいやらしさに見ていられなくて腕で目元を覆う。すると煌星が俺の腕をどけてまた「Look」とコマンドを出す。俺はそれに従って自分の舐められている恥ずかしい部分に目をやる。すると煌星が舌で先端をぐっと押すようにして見せつけてきた。 「ほらここ。僕が少しずつ育てたから、すごくえっちな形に尖ってるでしょう?」 「ばか――」 「ごめんね。でも育っちゃったものは仕方ないからたくさん気持ちよくなって?」  煌星は両手で同時に胸の先端をひねった。 「んっ!」 「こうやって、優しくつままれるのも大好きだよね」  ちょっと意地悪そうな顔で煌星が聞いてくる。頭ではそれを覚えていないのに、体だけはその感触を覚えていてどんどん気持ちよくなるのが怖かった。 「はぁっ……もう、やめろよそこばっかり!」 「ここからがいいところなんだけどな。どう? 胸でイけそう?」 「い、イけるわけないだろ……!」  羞恥心を我慢できなくなり上半身を捻って腕で胸をガードする。すると煌星が普段とは違った不敵な笑みを浮かべてコマンドを出す。 「凪、Present(見せて)」  迷いのない口調で指示されると、反射的に体が動いてしまう。俺は両腕を開き、意地悪な幼馴染の前に再び胸をさらけ出した。 ――くそっ。遊ばれてるとわかってるのに、気持ちいいのなんなんだよ? 「Good boy その調子だよ。頭で考えなくていいから、僕の声に集中して。凪はできる子だよ。本能に従ってさあ、もう一度 Look 」  煌星の指さす先にある綺麗な瞳をじっと見つめる。 「恥ずかしがらなくていい。僕は君のDomだからね。何も心配しなくていいから僕にすべて委ねて。凪の全部を受け止めるから」  煌星の声が耳に心地よく響き、力強い視線に頭がぼんやりしてくる。 ――煌星に……全部委ねる……。 「……わかった」 「凪、もっと触って欲しいよね?」 ――煌星に触れられたい。  俺は正直に頷く。 「じゃあ素直になって。よく聞いて、次はどこを触って欲しい?」 「俺は……その……」 「Say(教えて)」  ぼんやりしてきた頭で自分の体に意識を向ける。下腹部がずきずきするほど張り詰めていて、今すぐに解放されたかった。俺は下着越しに勃ち上がった性器を撫でる。 「ここが、苦しい」 「そう、教えてくれてありがとう凪。じゃあ、僕にどうして欲しいかおねだりできる?」  俺は煌星に触られるのを想像して生唾を飲み込んだ。 「煌星……ここ触って。お願い」 「よく言えたね。恥ずかしいのに頑張ってえらいよ。なんて可愛いんだ」  煌星が俺の頭を撫でながら顔中にキスをし、そのまま下着を下ろした。 「凪のここも、気持ちよくなりたくて頑張って硬くなってる。撫でてあげようね」  そう言って煌星がそれを握り、上下に動かした。 「う……っ、んっ!」 「いい子だね、ほら雫がこぼれそう」 「こうせ――あっ、あ……」 「このままイきたい? 上手におねだりできたら、口でしてあげるよ」  俺は喘ぎながら煌星の形の良い唇を見た。好きな男の口でされたら、きっと今よりずっと気持ちいいだろう。 「凪は口でイかされるのが好きだよね?」 「んっ……して……! 煌星、お願いだから口でして」 「凪、本当に上手」  煌星に褒められた喜びに浸る間もなく次の指示を出される。 「じゃあ、凪は胸を触ってて。さっき僕がしたみたいに指でつまむんだよ」  俺は言われるがままに自分の乳首に手を伸ばす。 「こ、こう――?」 「そう、いいね」  そして次の瞬間、彼の唇で性器の先端を包まれる。強烈な感触に目の前がチカチカと光って見えた。 「な……っ、あ! それやば――」  さっき口中を撫でていた彼の舌で今度はペニスを舐められる。まるでお気に入りのキャンディでも頬張るかのように、煌星は熱心に俺のものを舐め上げた。おかげでこちらは気持ちいいやら、すぐに漏れてしまいそうやらで頭がめちゃくちゃになっていた。自分で触っている胸もピリピリして、声を抑えられない。 「あっ、もう出る、出るっ!」  目の前が真っ白になって、俺は脱力した。口を拭いながら煌星が微笑む。 「よくできたね、凪」  荒い息を吐きながらぼうっとしていたら、煌星がヘッドボードの引き出しから何かを取り出した。ゴムとそれから透明な液体の入ったボトル。 「最後までしなくていいけど、久しぶりだから少しだけ後ろも慣らしておこうね」  指にゴムを被せ、煌星はその上から液体を垂らした。ぼんやりしている俺の尻に煌星はその指を押し込もうとしてくる。俺は咄嗟に腰を引いた。 「な、何……」 「凪はこっちでも気持ちよくなれるからね」 「うそ――」  ミルクティーを飲んだ翌日尻が痛いことがあったから予想はしていたが、やはり俺が入れられる方らしい。しかしそれが頭でわかっていても、こんなところに物を入れるなんて恐ろしかった。 「こ、煌星。やっぱ俺――さすがにここは……」  両手でその部分を隠して煌星に助けを求める視線を送る。しかし、彼もまた頼りなげな表情でこう言った。 「凪は僕をお嫁さんにしてくれるんだよね? 凪の体で僕を受け止めてくれないの?」 「そ、それは――」  そんな言い方をされて断れるわけもない。腹を括って俺は頷いた。 「男に二言はない。お前のことは俺がちゃんと受け入れる」
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