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「……私が死んだら、想いとともに、土に還してくれますか? 私はそこから、弧之善様を見守っていきたい。月湧を守っていく弧之善様を、見守っていきたいです」
月湧が好きだ。生まれ故郷だからというだけでなく、弧之善が守る土地だから。その地で弧之善と恋をし、死んだら土地を見守っていきたい。弧之善は穏やかに微笑んでくれた。
「約束しよう。私と一緒に、この村を見守ってくれ」
「じゃあ、約束」
光月がそう言って小指を差し出すと、弧之善もくしゃっと笑って小指を絡めてくれた。
頭上にもみじが揺れる。空は快晴。きっと夜にはきれいな月が出るだろう。
月湧(つくわく)の化粧うるはし宵の山 ひかり降らせよ雲のまにまに
<完>
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