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Operation Ⅰ
20XX年、アキレマ合衆国 国防総省 統合参謀本部、現地時間午前10時00分。ドアが左右に開くと同時に、士官が作戦指令室内の国防長官に早足で歩み寄る。手には、10㎝四方の紙片。士官は周りを一瞥して、国防長官に紙片を手渡す。元々白い紙片だったと思われるが、細かいしわと赤黒いシミが付いている。国防長官は、机上の老眼鏡をかけ紙片を見た。
『11:30』と殴り書きされた文字。
「11:30……11時30分ということかね」
国防長官が、老眼鏡ごしに士官を見て言った。
「はい。最終的に得られた最も信頼の置ける情報です。ここまで多大な犠牲を払いました……」
静かに答える士官。
「うむ。この情報を得るために殉じた者たちの処遇は、君に一任する」
「はい。ありがとうございます」
士官は、敬礼をして作戦指令室を出て行った。
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