1章ー1

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 買い物かごを返却して、石塚を探すとセルフレジで会計を済ましていた。  スーパーの袋とトイレットペーパー抱えてにサッカー台で待っていた。 「えっと、ほんと支払いは……レシートは?」 「袋の中に入ってます。4505円です。レシートも一緒に」  石塚は「ほら、こちらがレシートになります」と見せてくれた。 「あ、いや、ここのスーパーってレジ袋5円取られるんじゃ……」  そのためにマイバッグ持ってきたのにと心の中で呟いた。 「それも含めてですよ。袋持って行きますから」  石塚はいけいけどんどんと言わんばかりに、咲月に車を停めている場所を教えるように誘導する。    咲月が停めたのは2階の駐車スペースで、真ん中の方だ。  駐車場行きのエレベーターで向かって、白いミニバンを指差した。  真ん中の方に停めた。  入り口近くは満車だったから。  咲月は車の後部座席のドアを開けた。  中には物1つなかった。  週末に家族で、車の中を掃除したばかりだ。    掃除しててよかったと安堵した。  購入したものをおいて、後部座席のドアを閉める石塚に「もし良かったら、一緒に乗って行く? 助手席空いてますので」と尋ねる。  石塚は「本当にいいんですか!?」と声を上げて、慎重に助手席のドアを開けた。  咲月も運転席に入り、2人がシートベルトを着用したのを確認し、家路に向かった。  申し訳ないので、お礼に石塚をお茶に誘ったら、家に一旦帰ったら、1時間後に行くと言った。
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