7.推しへの愛は永久に不滅です!

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「なんでブロマイドと引き換えに結婚しろなんて言い出したの?」 「普通に口説いてもうんと言ってもらえると気がしなかった。昔は何かっていうとひっついてきたのに……。黄金塚にハマるようになってから露骨に避けられたり煙たがられたりするようになったから。口うるさい自覚はあったし、実は嫌われてるんじゃないかと思ってた」  千春が香月を避けるようになったのは、香月の生活の邪魔をしたくない一心だった。それがややこしい誤解を生んでいたことに今更ながら気付かされる。   「ちぃがクリニックで男に口説かれているって聞いて、このまま幼馴染でいることに限界を感じた。結婚さえしてしまえばこっちのものだし、少しずつ口説いて、絆して、甘やかして……。そうしたらいつか俺に気持ちを向けてくれるんじゃないかって期待してた」  結婚を迫るに至った経緯を改めて聞かされると照れてしまう。  確かにこれまでの新婚生活を振り返ってみると、香月が言うように口説かれ、絆され、甘やかされていたという自覚がある。  そんな言葉が聞けただけで充分なような気もするけれど、どうしても聞かずにはいられない。
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