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??「敬斗さま…また本を読まれているのですか?」
敬斗「爺か?さまは付けなくて良いって言ったろ!!?僕は有栖川家の3男とは言え親に棄てられた身」
敬斗「今はただの成宮敬斗さ!!?」青年はそう言うと…手に取った本を棚に戻して悲しげな表情をする。
爺「そのような事は関係ございません!!?私にとって貴方さまは主君なのです!!?この街にいる誰が貴方を軽蔑しようと私だけ致しません!!?」その言葉を聞いた成宮は少し微笑んで「ありがとね?」とひと言呟くと…その場を立ち去って行った。
その時に窓から見えた情景は…彼の悲しき人生を憂うかのように…優しく微笑んでいるかの様だった。
そして…彼が抱える闇は我々が考えていたよりもずっと深く業の深いものだった。この頃になると成宮敬斗は闇に紛れて…とある事業を展開する様になる。
「幻楽」と命名された神社の1角にある「鳥居」を抜けると「異世界」へ通じると噂されており…成宮敬斗はそこで咎人を断罪しているという噂が流れたのである。敬斗曰くその鳥居は「逕庭門」の内側の世界へ通ずると話しており…訪れる者に欲望にまみれた幻を見せたと言う。
敬斗は業の深い人間の欲深さに触れて…少しずつ人格を歪めていった。この頃の彼はまだ…人の理性を保てていたんだ。それがあんなことになるなんて誰も予想できてはいなかった。
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